新潟の日本酒おすすめ5選 — 「淡麗辛口」だけじゃない県内の味の幅をデータで見る

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新潟の日本酒といえば「淡麗辛口」。この言葉があまりに定着しているので、新潟の棚はどれも似た味なのだろうと思っている人は少なくありません。

実際はどうなのか、当サイトが利用しているさけのわデータの6軸フレーバーベクトル(華やか・芳醇・重厚・穏やか・ドライ・軽快)で集計してみました。収録している新潟県の銘柄は112で、全国最多です。

データで見る「新潟=淡麗辛口」は本当か

新潟県112銘柄の平均値を、収録1346銘柄の全国平均と並べます。

新潟平均 全国平均
華やか 0.324 0.339 -0.014
芳醇 0.516 0.535 -0.019
重厚 0.317 0.328 -0.011
穏やか 0.408 0.393 +0.015
ドライ 0.342 0.310 +0.032
軽快 0.428 0.422 +0.006

たしかにドライが全国平均を上回り、華やか・芳醇・重厚が下回るという、淡麗辛口のイメージ通りの並びになっています。ただし差はどれも0.03以下と小さく、ドライ平均で見た都道府県順位(収録10銘柄以上の40都道府県)では新潟は8位。高知・青森・静岡のほうが上です。

もっと重要なのは県内のばらつきです。新潟県内のドライ値は最小0.062から最大0.656まであり、華やか値も0.060〜0.585と全国並みの幅があります。県の平均が少し辛口寄りなだけで、中身はかなり多様、というのが実態です。

そこでここでは、さけのわランキング入りしている新潟の人気銘柄から、味のタイプが互いに重ならない5本を選びました。順番はランキング順です。

1. 加茂錦(加茂錦酒造)|華やかで軽い、現代型の入口

華やか0.477は全体の上位11%、軽快0.555も上位9%。一方で重厚0.203は下位9%、ドライ0.246も平均(0.310)を下回ります。

香りは立つのに重さがなく、キレを強く主張しないという組み合わせで、新潟の県平均とはほぼ逆の方向を向いた数値です。日本酒=辛くて重いという先入観がある人に最初に渡すなら、この形が向きます。

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2. たかちよ(高千代酒造)|甘さと香りに振り切ったタイプ

華やか0.555は収録1346銘柄の上位2%という高さ。対してドライ0.153は下位6%、穏やか0.184に至っては下位2%です。

数値の形としては香りが強く、キレも落ち着きもほとんど主張しない極端なプロフィール。甘い果実のような印象を求める人には刺さりますが、食中にすっと消える酒を探している人とは真逆になります。新潟にもこういう銘柄が人気上位にいる、という点でイメージを壊してくれる1本です。

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3. 八海山(八海醸造)|県のイメージそのものの淡麗辛口

ドライ0.396は上位17%、穏やか0.493は上位12%。華やか0.291は平均を下回り、軽快0.425はほぼ全体平均どおりです。

キレがありながら角が立たず、香りで前に出てこないという、新潟の県平均をそのまま強めたような数値。今回の5本のなかで唯一、ドライと穏やかの両方が高い位置にあります。塩味の焼き物や煮物のように、味の輪郭がはっきりした和食と合わせたときに働くタイプです。

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4. 雅楽代(天領盃酒造)|軽さが全国トップクラス

軽快0.631は上位2%。芳醇0.405は下位4%、重厚0.170も下位4%で、ドライ0.300はほぼ平均です。

つまり旨味の厚みやどっしり感を極力そぎ落とし、軽さだけを残した形。辛口かどうかという軸ではなく「飲み口の重さ」で選ぶタイプで、八海山とは辛さではなくボディで対比されます。前菜や淡白な料理と合わせたい日、あるいは何杯か重ねたい日に向く数値です。

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5. 村祐(村祐酒造)|淡麗の対極にある甘旨タイプ

芳醇0.610は上位14%、重厚0.362も上位30%と、今回の5本で最も厚みのある数値。そこにドライ0.193(下位12%)が組み合わさります。

旨味とコクがあってキレは控えめという、新潟の県平均から最も遠い位置にある1本です。軽快0.404も平均をやや下回るので、するする飲むというより一杯をゆっくり味わう方向。甘みのある味付けの料理や、食後に単体で飲むのに向く形をしています。

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王道の淡麗辛口をもう少し探すなら

「やっぱり新潟らしい淡麗辛口が飲みたい」という場合、人気上位では久保田(朝日酒造・ドライ0.377/穏やか0.450)、〆張鶴(宮尾酒造・ドライ0.388/穏やか0.455)、鶴齢(青木酒造・ドライ0.371/穏やか0.468)が、いずれもドライと穏やかがそろって高い同系統の数値です。

この3本は6軸の形が互いによく似ているので、飲み比べるなら1本ずつ別の日に置くより、同じ日に少量ずつ比べたほうが違いが分かります。

新潟の酒の選び方

新潟で失敗しないコツは、「新潟だから淡麗辛口だろう」で選ばないこと。県平均はたしかに少し辛口寄りですが、今回の5本を見ても、華やか0.555のたかちよから芳醇0.610の村祐まで、方向はばらばらです。

先に自分の好みの軸を決めて、そこから銘柄を探すほうが確実です。自分がどの軸に寄っているかは、1分の日本酒診断で確かめられます。同じ新潟の棚の前に立っても、選ぶべき1本は人によって変わります。