チーズに合う日本酒5選 — フレッシュ・白カビ・青カビ・熟成タイプ別の合わせ方
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チーズに合わせるお酒といえばワインですが、日本酒とチーズも噛み合います。どちらも発酵食品で、旨味の成分を持っているからです。ただし「日本酒はチーズに合う」で止めてしまうと、モッツァレラにどっしりした酒を合わせて酒だけが残ったり、ゴルゴンゾーラにキレのある酒を合わせて塩気に負けたりします。チーズの種類が変われば、合う日本酒も変わります。
チーズに合わせる日本酒を選ぶときの考え方は、次の3つです。
- 脂と乳のコクには「軽さ」か「キレ」 — 旨味の厚い酒を脂に重ねると、口の中にコクが二重に残る
- 塩気と刺激の強いチーズには「甘みと厚み」 — 青カビの塩味・刺激は、キレだけの酒では受け止めきれない
- 熟成が進んだチーズほど、酒にも厚みを — 熟成ハードの凝縮した旨味に軽い酒を合わせると、酒が消える
当サイトが利用しているさけのわデータの飲用レビュー(華やか・芳醇・重厚・穏やか・ドライ・軽快の6軸)から、さけのわランキング100銘柄を対象に、チーズのタイプ別で5本を選びました。5本のうち最も味の方向が離れているのは1番の手取川と5番の玉川(コサイン類似度0.782)で、同じ「チーズに合う日本酒」でもここまで振り幅があるという目安になります。逆に最も近いのは3番の飛露喜と4番の村祐(0.981)です。
1. モッツァレラ・カッテージなどフレッシュ系に — 手取川(石川県・吉田酒造店)
「軽快」が全収録1346銘柄のなかで上位4.5%(ランキング100銘柄で10位)と高く、一方で「芳醇」は上位90.1%、「重厚」は上位88.9%と、どちらも下位に沈む構成です。旨味の厚みも重さも持たないタイプ。モッツァレラやカッテージのような、塩気も熟成香も控えめで乳の甘みだけがあるチーズは、旨味の濃い酒を合わせると酒のほうが前に出てチーズが消えてしまいます。加えて「ドライ」が上位29.3%(ランキング100銘柄では17位)と平均より効いているので、口に残る乳脂肪をきれいに流してくれます。トマトやオリーブオイルと合わせたフレッシュチーズにも、この軽さとキレなら邪魔になりません。
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2. クリームチーズ・マスカルポーネに — 大嶺(山口県・大嶺酒造)
「華やか」が全体上位4.3%(ランキング100銘柄で9位)と高く、「ドライ」は上位94.9%——ランキング100銘柄のなかでは96位、つまりキレでは流さない側に振り切った構成です。クリームチーズやマスカルポーネは乳酸の酸味と脂のまろやかさが主役なので、キレで断ち切るより、香りの甘やかさを重ねたほうが素直につながります。ドライフルーツやはちみつ、クラッカーと一緒に出すときにも、この香りの高さが同じ方向を向きます。「重厚」は上位94.1%、「軽快」は上位10.2%と軽い側なので、脂の上に重さを足してもたつくこともありません。
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3. カマンベール・ブリーなど白カビ系に — 飛露喜(福島県・廣木酒造本店)
「穏やか」が全体上位16.1%、ランキング100銘柄では7番目に高い一方、「ドライ」は上位42.0%と平均よりわずかに効いていて、「芳醇」は上位55.0%とほぼ中庸。まろやかさを軸に、キレと旨味を平均前後で持っているバランス型です。白カビのチーズは中心のとろりとした部分の乳脂肪と、外皮のほろ苦さ・きのこのような風味が同居しているので、香りで押す酒だと外皮とぶつかり、キレだけの酒だと中心のコクに置いていかれます。角のないまろやかさで受けつつ、後口はきちんと切れるこの構成が、白カビの二面性にちょうど噛み合います。「華やか」は上位40.9%(ランキング100銘柄では79位)と低いほうで、香りが立ちすぎないのもこの用途では利点です。
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4. ゴルゴンゾーラなど青カビ系に — 村祐(新潟県・村祐酒造)
「芳醇」が全体上位14.0%(ランキング100銘柄で11位)、「重厚」が上位30.5%(同9位)と旨味と厚みの両方を持ち、対して「ドライ」は上位87.9%と低い、甘旨系の構成です。青カビのチーズは塩気が強く、刺激的な風味が長く口に残ります。キレのある酒はその塩気を流す前に自分が消えてしまいますが、甘みと厚みで正面から受けるこのタイプなら押し負けません。青カビにはちみつを垂らす食べ方が定番なのと同じ理屈で、塩味と刺激には甘みを当てるのがいちばん確実です。「華やか」は上位34.2%と中庸で香りが暴れないため、チーズ側の強い風味と香りが喧嘩することもありません。
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5. パルミジャーノ・コンテなど熟成ハード系に — 玉川(京都府・木下酒造)
「重厚」が0.606で全収録1346銘柄中28位(上位2.1%)、ランキング100銘柄のなかでは1位という、今回の5本で最もどっしりした1本です。「芳醇」も上位4.9%(同2位)と高く、逆に「華やか」は上位95.5%、「軽快」は上位95.9%と、香りと軽さを捨てて旨味と厚みに全振りした構成になっています。長く熟成させたハードチーズは水分が抜けて旨味と塩気が凝縮しているので、軽い酒を合わせると酒の存在が消えます。厚みで真正面から受けられるのはこの手のタイプだけです。「ドライ」も上位92.3%と低く、キレで断ち切らないぶん、チーズの余韻と酒の余韻が重なって長く続きます。重厚タイプは温度を上げると表情が開くことが多いので、常温〜ぬる燗も試す価値があります。
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盛り合わせなら「軽い → 濃い」、酒も同じ順で
チーズの盛り合わせを食べるとき、フレッシュ系から始めて熟成ハードや青カビで終える順番が勧められるのは、濃い味を先に食べると淡いチーズの味がわからなくなるからです。日本酒も同じで、先に厚みのあるタイプを飲むと、後から軽い酒を飲んでも水のように感じます。2本以上開けるなら軽くてキレるタイプ(1・2番)から、旨味の厚いタイプ(4・5番)へという順番にすると、どちらの良さも損なわれません。
温度は、フレッシュ系やクリームチーズにはよく冷やして軽さを立たせ、青カビや熟成ハードでは冷やしすぎないほうが旨味が寄り添います。チーズも冷蔵庫から出したてでは香りが閉じているので、少し置いてから合わせると、酒との噛み合い方が変わります。グラスはワイングラスのように口の広がったものを使うと、香りの立つタイプ(2番)の良さが出ます。
同じ「発酵食品に合わせる」でも、塩気と脂の量が違えば選ぶ基準も変わります。肉料理と合わせたいときは肉料理に合う日本酒5選、魚介と合わせたいときは刺身に合う日本酒5選のほうが参考になります。自分の好みが軽さ重視なのか旨味重視なのかは1分の日本酒診断でわかるので、チーズを買いに行く前に一度確かめてみてください。