田酒が好きな人におすすめの似ている日本酒5選 — フレーバーデータで探す「次の1本」
※ 本記事にはアフィリエイト広告(PR)のリンクを含みます
田酒を気に入って、次に似た1本を探そうとすると意外に迷います。「香りが良くて飲み飽きしない酒」で検索すると出てくるのは、たいてい香りだけが突出した甘い系か、キレだけが強い淡麗系。田酒の、香りは立つのに後口はすっと引く感じは、どちらの言葉でも言い当てられていません。
そこでこの記事では、当サイトが利用しているさけのわデータの6軸フレーバーベクトル(華やか・芳醇・重厚・穏やか・ドライ・軽快)を使い、田酒とベクトルの向きが近い銘柄をコサイン類似度で計算して選びました。飲んだ人のレビューから算出された数値なので、イメージではなく実際の味の傾向にもとづく比較になります。
まず、田酒はどういう味のプロフィールなのか
田酒(青森県・西田酒造店)のフレーバー値と、収録1346銘柄のなかでの位置は次の通りです。
- 華やか 0.464(全体平均0.339)— 上位13%に入る高さ
- 芳醇 0.511(同0.535)— 下位33%、平均をやや下回る
- 重厚 0.259(同0.328)— 下位27%
- 穏やか 0.368(同0.393)— 下位38%
- ドライ 0.304(同0.310)— ほぼ中央値(全体の中央値は0.303)
- 軽快 0.478(同0.422)— 上位28%
形を言葉にすると、香りは明確に高いのに、旨味・重さ・キレはどれも平均かそれ以下。突出しているのは華やかと軽快の2軸だけです。
ここが田酒の面白いところで、華やか0.45以上の銘柄は213本ありますが、その213本の平均ドライは0.231しかありません。香りが立つ酒はたいてい後口が甘く残る方向に寄るわけです。213本のうちドライが0.30以上あるのは36本、率にして17%。田酒はその少数派に入ります。
芳醇0.511も見逃せません。華やか0.45以上グループの平均芳醇は0.515なので、田酒はその平均すら下回っています。香りで押しながら、旨味は足していない。 華やかさと芳醇さが同時に高いタイプ(華やか0.45以上かつ芳醇0.55以上は70本)とは、はっきり別の設計です。重厚0.259の低さと軽快0.478の高さも合わせると、香りは華やかなのに飲み口は終始軽い、という組み合わせになります。
以下の5本は、その形が田酒に近い順に並べています。いずれもさけのわランキング入りの人気銘柄です。なお上位3本は類似度が小数第4位まで同値で、実質的に横並びと考えてください。
1. 雨後の月(広島県・相原酒造)|類似度 0.9975
田酒の6軸を、キレの側にわずかに寄せた形です。重厚0.244・穏やか0.349・軽快0.494はいずれも田酒(0.259/0.368/0.478)とほぼ重なり、骨格はそのまま。
違いが出るのはドライ0.344で、これは収録銘柄の上位33%にあたります。田酒の0.304より一段高く、5本のなかでは最もキレる位置です。そのぶん華やか0.418は5本中で低いほうに入ります。香りをすこし抑えて、後口の切れ味に振り替えたバランス。芳醇0.531は田酒より高いので、味が痩せて感じることもありません。田酒の軽快さを気に入っていて、もう少し後口をきっぱりさせたい人向けです。
雨後の月の味わいチャートを見る / 楽天で探す(PR) / Amazonで探す(PR)
2. 庭のうぐいす(福岡県・山口酒造場)|類似度 0.9975
ドライ0.304が田酒とぴたり同値という銘柄です。重厚0.242も近く、後口の性格がそのまま共通しています。
差は軽快0.515と華やか0.409。軽快0.515は収録銘柄の上位17%で、5本のなかでは紀土・楯野川に次ぐ軽さです。穏やか0.382は田酒よりわずかに高い。つまり同じキレを保ったまま、香りの主張を下げて飲み口をさらに軽くした方向になります。田酒の華やかさが食事に対して強いと感じる場面や、量を飲む日の1本として使いやすいプロフィールです。
庭のうぐいすの味わいチャートを見る / 楽天で探す(PR) / Amazonで探す(PR)
3. 一白水成(秋田県・福禄寿酒造)|類似度 0.9975
上位3本のなかで、唯一「濃さ」の方向へずれている銘柄です。芳醇0.567は5本で最も高く(収録銘柄の上位36%)、田酒の0.511を大きく上回ります。重厚0.262・穏やか0.362は田酒とほぼ同じ値です。
代わりに軽快0.459が5本で最も低く、ドライ0.290も田酒よりわずかに低い。旨味を厚くして、飲み進むテンポを一段落とした形です。それでも重厚は0.262と低いままなので、重たくもたれる方向ではありません。田酒の軽さは保ちつつ、もう少し味の芯が欲しいときの選択肢になります。5本のなかでは料理と長く付き合わせやすいタイプです。
一白水成の味わいチャートを見る / 楽天で探す(PR) / Amazonで探す(PR)
4. 楯野川(山形県・楯の川酒造)|類似度 0.9971
一白水成とちょうど逆側にある1本です。芳醇0.489は5本で最も低く、収録銘柄では下位21%。軽快0.522は上位15%に入ります。
ドライ0.308は田酒(0.304)とほぼ同値で、穏やか0.392は5本で最も高い。旨味をさらに削って、そのぶん穏やかさと軽さに置き換えたプロフィールです。華やか0.412は控えめですが、それでも全体では上位26%にあたるので、香りが消えるわけではありません。田酒を「軽くて飲み飽きしない酒」として気に入っている人が、その性格をいちばん素直に伸ばせる方向です。
楯野川の味わいチャートを見る / 楽天で探す(PR) / Amazonで探す(PR)
5. 紀土(和歌山県・平和酒造)|類似度 0.9971
華やか0.448は5本で最も高く、田酒の0.464にいちばん近い値です。香りの立ち方がそのまま残るのがこの銘柄の特徴。
一方で重厚0.216は収録銘柄の下位13%で、5本のなかで最も軽い。軽快0.533も上位13%で最高値です。芳醇0.496は平均以下、ドライ0.284は田酒よりわずかに低い。田酒の華やかさを保ったまま、体重だけをさらに落とした形になります。ドライがすこし下がるぶん、後口の印象は田酒よりやわらかいはずです。5本のうち唯一のさけのわランキング20位以内(14位)で、飲んだ人の数が多いぶん味の評価も安定しています。
紀土の味わいチャートを見る / 楽天で探す(PR) / Amazonで探す(PR)
似ている酒の探し方のコツ
田酒系の酒を探すときのポイントは、華やかさの高さだけで選ばないことです。前述の通り、華やか0.45以上の213本は平均ドライ0.231と、後口が残る方向に大きく偏っています。この213本から適当に選ぶと、香りは似ていても飲み口が甘く重い酒に当たる確率のほうが高い。田酒の軽さを再現したいなら、ドライが0.28以上あるかを必ず確認してください。今回の5本はすべてドライ0.284〜0.344の範囲に収まっています。
もうひとつは芳醇を上げすぎないことです。全体の芳醇中央値は0.542で、田酒の0.511はそれより下。旨味が濃い酒は満足感がありますが、田酒の持ち味である「飲み口が最後まで軽い」性格とはトレードオフになります。今回の5本も芳醇0.489〜0.567と中央値の周辺に収まっていて、最も高い一白水成でも上位36%どまりです。
そして重厚。5本はすべて重厚0.216〜0.264、収録銘柄の下位13〜29%に入ります。香りが華やかで、なおかつ重さがない——華やかと軽快が高く、他の4軸は平均前後という田酒の形は、条件を重ねると絞り込みが効きます(華やか0.45以上・軽快0.46以上・芳醇0.54以下・重厚0.28以下で106本)。
5本を並べると「雨後の月=キレを強く/庭のうぐいす=同じキレでより軽く/一白水成=旨味を厚く/楯野川=旨味を削ってさらに軽く/紀土=香りを残して最軽量」と性格が分かれます。自分がどちらへズレたいかで選べば外しません。
田酒の地元・青森の酒をもっと見たい人は、青森県の辛口日本酒5選もあわせてどうぞ。田酒のドライは県内でも中位で、青森にはもっとキレる酒が揃っています。
自分の好みがどの軸に寄っているかは、1分の日本酒診断で確かめられます。同じ田酒好きでも、華やかな香りに惹かれている人と軽快さに惹かれている人ではおすすめの1本は変わります。まず自分の座標を知ることから始めてみてください。