十四代が好きな人におすすめの似ている日本酒5選 — フレーバーデータで探す「次の1本」
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十四代を飲んだあと、同じ満足感の1本を探そうとして迷った経験はないでしょうか。人気ランキングの上位を順に試しても、味の方向がまるで違って「悪くはないけれど、あの感じではない」となることがあります。
そこでこの記事では、当サイトが利用しているさけのわデータの6軸フレーバーベクトル(華やか・芳醇・重厚・穏やか・ドライ・軽快)を使い、十四代とベクトルの向きが近い銘柄をコサイン類似度で計算して選びました。飲んだ人のレビューから算出された数値なので、イメージではなく実際の味の傾向にもとづく比較になります。
まず、十四代はどういう味のプロフィールなのか
十四代(山形県・高木酒造)のフレーバー値と、収録1346銘柄のなかでの位置は次の通りです。
- 華やか 0.498(全体平均0.339)— 上位8%に入る高さ
- 芳醇 0.602(同0.535)— 上位18%
- 重厚 0.239(同0.328)— 下位20%
- 穏やか 0.353(同0.393)— 下位33%
- ドライ 0.183(同0.310)— 下位10%
- 軽快 0.418(同0.422)— ほぼ全体平均どおり
形を言葉にすると、香り(華やか)と旨味(芳醇)が同時に高く、そのうえでドライが極端に低いという組み合わせです。ここが十四代らしさの核になります。
華やかさが高い酒は珍しくありません。華やか0.45以上は213本あります。しかしそこに芳醇0.55以上が重なると70本に減り、さらにドライ0.22以下まで揃うと45本まで絞られます。香りが立つのに味が痩せず、しかも後口を鋭く切ってこない——この3条件が同時に成立する酒は、収録銘柄の3%ほどしかないわけです。
もうひとつ見落とせないのが軽快0.418です。ちょうど全体平均で、軽くも重くもない。重厚も0.239と低いので、飲み口そのものはすっきりしているのに、味の密度は保たれている。この中庸さがあるおかげで、華やかさと芳醇さが強くてもくどくなりません。
以下の5本は、その形が十四代に近い順に並べています。いずれもさけのわランキング入りの人気銘柄です。
1. 東洋美人(山口県・澄川酒造場)|類似度 0.9992
収録銘柄のなかで、十四代とベクトルの形が最も近い人気銘柄です。近さの度合いが際立っていて、重厚0.238(十四代0.239)・穏やか0.350(同0.353)・華やか0.488(同0.498)と、3軸がほぼそのまま重なります。
違いは芳醇0.623と軽快0.392。旨味をわずかに濃くして、そのぶん飲み口の軽さを一段落としたバランスです。芳醇0.623は収録銘柄で上位9%に入る高さなので、5本のなかでは味の芯がもっとも太い部類。ドライ0.203も十四代と同じく下位15%の低さで、後口が鋭く切れないところまで共通しています。十四代の印象をいちばん素直に置き換えられる1本です。
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2. 宮寒梅(宮城県・寒梅酒造)|類似度 0.9980
ドライ0.206は十四代の0.183と同じく下位2割に入る低さ、重厚0.253も近い水準です。そのうえで華やか0.461・芳醇0.583と、両方を少しずつ引いています。
代わりに上がるのが軽快0.453。香りと旨味の主張を一段控えめにして、飲み口を軽くした方向です。5本のなかでは、十四代の骨格を保ったまま濃度だけを薄めたような位置にあります。十四代の華やかさが食事の邪魔に感じられる場面や、盃を重ねたいときに効いてくるプロフィールです。
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3. 而今(三重県・木屋正酒造)|類似度 0.9969
宮寒梅と同じ方向に、もう少し進んだ位置にある銘柄です。華やか0.454・芳醇0.575はいずれも5本のなかでは低いほうで、軽快0.454は最も高いグループ。穏やか0.381も十四代(0.353)より高くなります。
つまり5本のなかで最もバランス寄りの形です。ドライ0.218は十四代よりわずかに高い程度で、後口の性格は変わりません。十四代の「香りも旨味も強い」部分を穏やかさと軽快さに振り替えた、飲み疲れしにくいプロフィールと考えるとわかりやすいはずです。
なお、而今を起点に似た酒を探した記事もあります(而今が好きな人におすすめの似ている日本酒5選)。十四代と而今は互いに上位に入る近さなので、両方読むと同じ味の圏内をより広く見渡せます。
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4. 花邑(秋田県・両関酒造)|類似度 0.9967
数値の性格が十四代といちばん似ているのがこの1本です。華やか0.503は十四代(0.498)をわずかに上回って収録銘柄の上位7%、芳醇0.609も上位15%、そしてドライ0.175は下位8%。高い2軸と極端に低いドライという組み合わせが、そのまま再現されています。
違いは軽快0.352で、これは収録銘柄の下位21%にあたる低さです。5本のなかで最も軽快が低く、穏やか0.393は最も高い。同じ香り・旨味の強さを、より落ち着いたテンポで出す形になります。十四代の華やかさをそのまま欲しいけれど、するりと流れるより口に留めて味わいたい、というときの選択肢です。
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5. 冩楽(福島県・宮泉銘醸)|類似度 0.9967
芳醇0.618は上位12%で、5本のなかでは東洋美人に次ぐ高さ。一方で華やか0.436は5本中もっとも低い値です。軽快0.411は十四代(0.418)とほぼ同値、重厚0.244も近い。
香りを一段引いて、旨味に比重を移したプロフィールです。穏やか0.390は十四代より高く、ドライ0.217は低いまま。華やかさが主役になりすぎず、味の密度で満足させる方向なので、料理と合わせる時間が長い日に向きます。十四代の芳醇さのほうに惹かれている人なら、こちらから試すのも手です。
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似ている酒の探し方のコツ
十四代系の酒を探すときに効くのは、華やかと芳醇の高さを見たあと、必ずドライの低さを確認することです。華やか0.45以上・芳醇0.55以上を満たす70本のうち、ドライが0.30以上ある酒は4本しかありません。逆に言えば、この条件を満たす酒の大半はもともと後口が穏やかな方向にあります。それでもドライを見る意味はあって、今回の5本はすべてドライ0.175〜0.218に収まっており、これは収録銘柄の下位2割弱。香りと旨味で押しながら、最後まで角が立たないという共通点がここに出ています。
もうひとつは重厚です。5本はすべて重厚0.238〜0.260と、下位2〜3割の範囲に収まっています。芳醇が高い酒のなかには重厚も一緒に高いタイプがありますが、そちらは同じ「濃い」でも口に残る重さの質が変わり、十四代とは別の体験になります。芳醇が高く重厚が低い、という組み合わせが目印です。
今回の5本も、並べると「東洋美人=旨味を厚く/宮寒梅=全体を軽く/而今=穏やかさ寄りにバランス/花邑=落ち着いたテンポで/冩楽=香りを引いて旨味へ」と性格が分かれています。自分がどちらへズレたいかで選べば外しません。
自分の好みがどの軸に寄っているかは、1分の日本酒診断で確かめられます。同じ十四代好きでも、華やかな香りに惹かれている人と旨味の濃さに惹かれている人ではおすすめの1本は変わります。まず自分の座標を知ることから始めてみてください。