京都の日本酒おすすめ5選 — 県平均が「全国平均そのもの」の県で、どう選ぶか

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京都府は、当サイトが利用しているさけのわデータ収録46銘柄・全国6位の県です。新潟112・長野93・福島77・山形63・兵庫56に次ぐ規模があります。

ところが6軸フレーバーベクトル(華やか・芳醇・重厚・穏やか・ドライ・軽快)で県平均を出すと、全国平均とほとんど区別がつきません。「京都の酒はこういう味」と平均で言い切れない県、というのがデータから見た京都です。

では選びようがないのかというと、逆です。県内には両端がきちんと揃っていて、しかも人気の集まっている2本が、県内で最も遠いペアでした。この記事ではその構造を数字で確かめたうえで、味の形が互いに重ならない5本を選びます。

データで見る京都の県平均

京都府46銘柄の平均値を、収録1346銘柄の全国平均と並べます。

京都平均 全国平均 県順位
華やか 0.351 0.339 +0.013 15位
芳醇 0.543 0.535 +0.008 14位
重厚 0.317 0.328 -0.011 23位
穏やか 0.416 0.393 +0.023 8位
ドライ 0.287 0.310 -0.023 24位
軽快 0.417 0.422 -0.006 24位

県順位は収録10銘柄以上の40都道府県で比べたものです。6軸すべてで差が0.023以内。県平均ベクトルと全国平均ベクトルのユークリッド距離は0.0378で、これは40県中4番目の近さでした(1位は福岡0.0261、2位は熊本0.0300、3位は富山0.0304)。

たとえば同じ集計で兵庫は芳醇8位・重厚7位に対して華やか31位・軽快33位と方向がはっきり出ますが、京都にはそれがありません。強いて言えば**穏やか8位(+0.023)とドライ24位(-0.023)**の組み合わせで、丸さがわずかに勝ち、キレが控えめ。ただしこの程度の差を「県の個性」と呼ぶのは無理があります。

ばらつきも同様です。6軸の標準偏差はいずれも全国の値とほぼ同じか下(華やか0.099対全国0.113、ドライ0.090対0.111)で、ばらつきの県順位は13〜27位。平均も散らばりも並、というのが京都46銘柄の全体像です。

平均が「ない」のに、人気2本は県内で最も遠い

さけのわランキング100に入る京都の銘柄は2本です。収録6位の県としては少なめで、新潟10・秋田7・宮城6・山形6・福島6・山口6と比べると差があります。

その2本が澤屋まつもと(61位)玉川(70位)なのですが、この2本のコサイン類似度は0.712。京都46銘柄でつくれる全1035ペアを計算すると、これが最小値でした(中央値は0.960)。

つまり京都は、県内で最も似ていない2本が、そのまま県内で最も人気のある2本という県です。平均が全国平均に埋もれる一方で、人気は両端に割れている。「京都の日本酒」で検索して1本引くと、期待とまったく違う側が来る可能性が最も高い県のひとつ、と言い換えてもいいと思います。

なお県内46銘柄のうち、県平均ベクトルとの類似度が0.99以上ある「平均に近い酒」は11本、0.98以上は27本と過半数を占めます。中央に厚く積み上がり、端に少数だけ立っている——これが京都の分布の形です。

以下の5本は、その中央の代表1本と、四方向の端をそれぞれ1本ずつ取っています。5本の全ペア(10通り)の類似度は0.712〜0.970に収まりました。

1. 澤屋まつもと(松本酒造)|京都の人気1位は、軽さの全国トップ11

軽快0.689は全体の上位1%で、収録1346銘柄中11位。京都46銘柄のなかでも2位です。逆に芳醇0.369は下位3%、重厚0.172は下位4%、穏やか0.288も下位13%。

旨味も厚みも丸みも削って、軽さだけを残す形です。華やか0.433(上位20%)が支えているので香りは立ちますが、口に残るものはほとんどない数値。京都平均(軽快24位・穏やか8位)とは、両方の軸で反対を向いています。

後述の玉川との類似度0.712が、京都46銘柄1035ペア中の最小値。同じ県の人気2本がここまで離れるのは、この県の分布ならではです。冷やして単体か、味の軽い料理に。

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2. 玉川(木下酒造)|厚みの側の端。京都で重厚1位

重厚0.606は全体の上位2%(全国28位)で、京都46銘柄中の1位。芳醇0.640も上位5%です。一方で華やか0.144は下位4%、軽快0.230は下位4%、ドライ0.173も下位8%。

旨味と厚みを積んで、香り・軽さ・キレを全部落とすという、澤屋まつもととちょうど裏返しの形。京都平均(重厚23位)から見ても例外的な位置にあります。

温度を上げたほうが数値の形が出るタイプで、当サイトでは燗酒に合う日本酒5選チーズに合う日本酒5選(熟成ハード系)でも主役にしています。味の濃い料理に当てても押し負けません。

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3. 富翁(北川本家)|京都の平均像を1本で代表させるなら、これ

華やか0.350・芳醇0.555・重厚0.361・穏やか0.428・ドライ0.296・軽快0.410。6軸すべてが全体の上位31〜57%に収まり、極端な軸がひとつもありません。

京都の県平均ベクトルとのコサイン類似度は0.999で、46銘柄中1位。さらに6軸すべてで県内14〜25位(46銘柄中)という、順位で見ても文字どおり真ん中の1本です。冒頭で見たとおり京都平均は全国平均とほぼ同じなので、この1本は「京都の平均」であると同時に「日本酒全体の平均」に近い位置にあります。

澤屋まつもととの類似度0.913、玉川との0.918。両端のどちらからもほぼ等距離にあり、京都の酒を比べるときの基準点として置きやすい形です。何を合わせるかも選びません。

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4. 酒呑童子(ハクレイ酒造)|京都でいちばんキレる1本

ドライ0.542は全体の上位3%(全国43位)で、京都46銘柄中の1位。芳醇0.425は下位6%、重厚0.216は下位13%です。

旨味と厚みを抑えて、キレを立てる形。軽快0.494(上位23%)も高めなので、後に引かない方向にそろっています。京都平均はドライ24位(-0.023)と控えめな県で、県内でドライ0.55を超える銘柄は1本もありません。収録40銘柄以上の県でこれが起きるのは京都と長野だけで、この1本は「その上限」にあたります。

富翁との類似度0.945と、平均からの距離自体は大きくありませんが、伸びている軸が違います。辛口を京都で探すなら、まずここが基準です。

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5. 古都千年(齊藤酒造)|穏やか0.610、京都平均が唯一立っている軸の端

穏やか0.610は全体の上位2%(全国21位)で、京都46銘柄中の1位。逆にドライ0.198は下位13%、軽快0.322は下位14%です。

京都の県平均で唯一わずかに立っていた軸が穏やか(8位)でしたが、その方向を県内で最も押した1本がこれ。角を落として、キレも軽さも引く形で、酒呑童子とちょうど反対を向いています(華やか0.386・芳醇0.508・重厚0.280はいずれも中央付近)。

富翁との類似度0.970は今回の10ペア中で最も近い値ですが、穏やかが0.428対0.610と大きく違います。富翁の形のまま、丸みだけを一段強めた位置と考えると分かりやすいはずです。強い味に当てるより、単体か薄味の料理で。

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もう少し掘るなら

軽さをさらに求めるならアルゴ(月桂冠)が軽快0.703で京都の最高値(全体1346銘柄でも上位1%)。日日(日々醸造)も軽快0.652・重厚0.164で、澤屋まつもととの類似度は0.988とほぼ同じ形です。香りを最優先するなら日日 武者修行(日々醸造)が華やか0.527で京都の最高値(上位4%)。

厚みの側では、伊根満開(向井酒造)が芳醇0.667(上位1%)・重厚0.569(上位4%)に対しドライ0.064・軽快0.217がともに京都の最低値。玉川より極端な形です。豪快(宝酒造)は芳醇0.686が京都1位である一方、華やか0.064も京都の最低値で、芳醇とドライ(0.501・上位5%)だけが立つ変わった形をしています。

逆に平均側をもう少し見るなら、黄桜(黄桜)と銀シャリ(白杉酒造)が県平均との類似度0.996、城陽(城陽酒造)が0.994、月桂冠(月桂冠)が0.992。富翁と合わせて、この帯に県内46銘柄の過半数が乗っています。

輪郭のはっきりした形が好みなら白木久(白杉酒造)が穏やか0.254で京都の最低値、華やか0.459は上位14%です。

京都の酒の選び方

京都は、県の平均像から選ぶことが最も役に立たない県です。県平均は全国平均から40県中4番目に近く、「京都らしい味」を数値で取り出そうとしても、日本酒全体の平均が返ってくるだけになります。

代わりに効くのは、県内の位置で選ぶことです。46銘柄の過半数は中央(県平均との類似度0.98以上)に積み上がっていて、端には数えるほどしかありません。そして人気の2本は、その端の両側に分かれて立っています。軽さなら澤屋まつもと、厚みなら玉川、基準なら富翁、キレなら酒呑童子、丸さなら古都千年。中央を1本持っておくと、端の2本がどれだけ離れているかが体感で分かります

軸そのものから全国で探したい場合は、軽快で飲み疲れしない日本酒どっしり飲みごたえのある日本酒まろやかで穏やかな日本酒に選定があります。

自分がどの軸に寄っているか分からない場合は、1分の日本酒診断で確かめてから選ぶと、棚の前で迷う時間がぐっと減ります。