群馬のフルーティーな日本酒5選 — 26本中13本が該当、その8割が「香って軽い」

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当サイトが利用しているさけのわデータの収録1346銘柄で、華やか値の上位25%の境界は0.414です。これを超える銘柄の割合は全国で25.2%ですが、群馬県は**収録26銘柄中13本=50.0%**が該当します。

収録10銘柄以上の40県で並べると、この該当率は長崎(60%・6/10)、山口(57%・12/21)に次ぐ3位。さらに群馬のランキング入り銘柄は3つ(尾瀬の雪どけ45位・町田酒造98位・水芭蕉100位)で、3本とも13本のなかに入っています。

ただし中身を見ると、他県のフルーティー帯とはかなり形が違いました。軽快が該当26県中2位、重厚が24位です。

データで見る群馬のフルーティー13本

13本の平均値を、全国のフルーティー該当339本、群馬26銘柄全体、全国1346銘柄と並べます。

軸 群馬13本 全国フルーティー339本 群馬26本 全国1346本
華やか 0.491 0.479 0.398 0.339
芳醇 0.496 0.523 0.524 0.535
重厚 0.196 0.236 0.273 0.328
穏やか 0.276 0.311 0.350 0.393
ドライ 0.251 0.253 0.275 0.310
軽快 0.562 0.498 0.483 0.422

比べるべきは左の2列です。全国のフルーティー帯より、軽快が高く(+0.064)、重厚が低く(-0.040)、穏やかも低い(-0.035)。ドライはほぼ同じで、芳醇だけが下(-0.027)です。

フルーティー該当が5本以上ある26県で並べると、この帯の軽快平均は群馬が2位(1位は福岡の0.573、群馬0.562、3位は千葉の0.556)。重厚は24位、穏やかは20位です。軽さで上から2番目、厚みで下から3番目。この組み合わせが群馬です。

これは13本だけの話ではありません。県全体(26銘柄)の平均でも、群馬は40県中華やか3位・軽快2位、その裏返しで重厚38位・穏やか37位。香り側の13本は、県全体の性格をそのまま濃くした形になっています。

「軽快上位25%かつ重厚下位25%」が13本中10本

もう少し具体的な条件で数えます。全国基準で軽快が上位25%(0.484以上)に入り、かつ重厚が下位25%(0.253以下)に入る——つまり軽くて厚みがない銘柄が、13本のうち10本あります。

全国のフルーティー339本ではこの条件に当てはまるのは150本(44%)ですから、群馬の**77%**はかなり高い比率です。26県のなかでは広島(88%・7/8)に次ぐ2位で、該当が10本以上ある14県に限れば1位になります。

香りが立つ群馬の銘柄を手に取ると、8割近くの確率で「軽くて、どっしりしていない」酒に当たる、ということです。

似すぎている13本

もうひとつ、数字で見えてしまう特徴があります。13本は互いによく似ています。

13本の全78ペアのコサイン類似度は平均0.980。該当10本以上の14県では、福島(0.985)・岐阜(0.981)・山口(0.980)・三重(0.980)に続く水準です。78ペアのうち27ペアが0.99以上あります。

とくに集中しているのが次の6本で、この6本は互いの類似度がすべて0.9926以上(最小ペアが咲耶美×清りょうの0.9926、最大は???×聖の0.9994)。

  • 咲耶美(貴娘酒造)
  • 清りょう(町田酒造店)
  • ???(町田酒造店)
  • 町田酒造(町田酒造店)
  • 結人(柳澤酒造)
  • 聖(聖酒造)

6軸で見るかぎり、この6本は実質的に同じ形です。いずれも華やか0.48〜0.53、重厚0.13〜0.20、軽快0.59〜0.66に収まります。群馬で「香りと軽さ」を求めるなら、この6本のどれを選んでも数値上の差はほとんどありません。

例外2本は、同じ蔵から出ている

13本のうち、先ほどの「軽快上位25%かつ重厚下位25%」を外れるのは3本だけです。鳳凰聖徳(軽快0.491・重厚0.318)と、尾瀬の雪どけ(軽快0.426・重厚0.188)、龍神(軽快0.413・重厚0.180)。

後ろの2本は、さけのわのデータ上どちらも龍神酒造の銘柄で、13本のなかで軽快が下から1位と2位です。そして芳醇は0.649(13本中1位・全国46位)と0.634(13本中2位・全国80位)で、13本中の上位2つ。群馬のフルーティーで「軽さ」ではなく「旨味」の側に振れているのが、この2本という構図になります。

ちなみにこの2本の類似度は0.998で、13本78ペアのなかでも上位です。

5本の選び方

以下の5本は、13本を6軸ベクトルで比べ、蔵を重複させず、全10ペアの最大類似度が最も小さくなる組み合わせを選びました。

13本がここまで固まっていると、どう選んでも最大ペアは0.990(鳳凰聖徳×赤城山)より下がりません。その0.990を満たす組み合わせのうち平均が最も低い2つは、龍神を採るか尾瀬の雪どけを採るかの違いだけ(平均0.9658対0.9661)で、どちらも龍神酒造の銘柄です。ここではランキング入りしている尾瀬の雪どけを採りました。

5本の全10ペアは0.943〜0.990、平均0.9661。並び順は華やか値の高い順です。

1. 尾瀬の雪どけ(龍神酒造)|群馬の華やか1位、しかし13本で最も軽くない

さけのわランキング45位。**群馬26銘柄の華やか1位(0.530・全国50位/上位4%)**です。

この1本が13本のなかで特殊なのは軽快0.426で、全国682位=ちょうど1346銘柄の真ん中、13本中では下から2番目。代わりに芳醇0.634が全国80位(上位6%)に入ります。重厚0.188(下位6%)・穏やか0.244(下位6%)・ドライ0.200(下位14%)は下方向です。

つまり、香りと旨味を高く積んで、厚み・丸さ・キレを落とし、軽さも足していない形。今回見てきた「群馬=香って軽い」の平均像からは、13本で最も外れた側にいます。冷やして、単体でも料理と一緒でも。

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2. 咲耶美(貴娘酒造)|群馬の性格を極限まで押した1本

華やか0.530は尾瀬の雪どけと同値で、群馬の最高値タイ(全国52位)。ここから先が極端です。

芳醇0.411・重厚0.134・穏やか0.204は、いずれも群馬26銘柄の最下位。全国で見ても重厚は1329位(下位1%)、穏やか1313位(下位3%)、芳醇1282位(下位5%)です。一方で軽快0.656は**全国17位(上位1%)**で群馬1位。

香りと軽さ以外の要素をほぼ全部削った数値で、13本の性格を最も極端に押した1本といえます。前章の「6本クラスタ」の代表でもあり、清りょう・???・町田酒造・結人・聖とは0.99以上の類似度です。よく冷やして、味の軽い料理と。

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3. 関東の華(聖酒造)|13本でいちばんキレない

華やか0.474は上位11%。軽快0.569(上位6%)も十分に高く、ここまでは群馬の典型です。

違うのはドライ0.198で、13本中の最低値(全国1171位/下位13%)、群馬26銘柄でも下から3番目。穏やか0.370は13本中2位で、全国では中央付近(818位)です。香って軽いが、締まらない——同じ「軽快側」でも、咲耶美とは穏やかで0.166、ドライで0.048の差があります。

キレで切り上げるのではなく、軽いまま丸く終わるタイプ。冷やしすぎない温度のほうが丸さが出ます。

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4. 鳳凰聖徳(聖徳銘醸)|13本で唯一、厚みが平均並みにある

華やか0.442は境界の0.414を超えた位置(上位18%)で、13本では下から2番目です。

注目は重厚0.318で、13本中の最高値、全国641位=ほぼ中央。13本のうち12本が重厚で全国下位15%に沈むなか、平均並みの厚みを残しているのはこの1本だけです。ドライ0.340も13本中2位(上位34%)で、軽快0.491は13本中11番目。

「群馬のフルーティー」を探して、いわゆる薄い酒に行き当たりたくない場合の選択肢がここになります。咲耶美とは重厚で0.184の差があり、5本のなかで最も分かりやすい対比です。味の濃い料理にも合わせやすい数値。

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5. 赤城山(近藤酒造)|13本でいちばんキレて、いちばん丸い

華やか0.429は13本中の最低値で、境界のすぐ上(上位21%)です。

この1本はドライ0.359が13本中1位(全国370位/上位28%)、穏やか0.378も13本中1位(全国767位)。キレと丸さを同時に13本のトップで持っているという、やや珍しい形をしています。芳醇0.430は下位7%、軽快0.557は上位8%です。

3本目の関東の華とはドライが0.198対0.359と正反対で、香りの出方は近いのに後口の印象がいちばん離れる組み合わせ。香りは軽めでいいから食事の邪魔をしない酒、という選び方ならここです。

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残る8本も見ておく

13本のうち、上の5本以外は次の8本です。華やか値の高い順に並べます(銘柄名はさけのわデータの表記のままです)。

銘柄 華やか 芳醇 重厚 穏やか ドライ 軽快
清りょう(町田酒造店) 0.515 0.485 0.147 0.272 0.227 0.593
水芭蕉(永井酒造) 0.506 0.480 0.212 0.309 0.279 0.543
???(町田酒造店) 0.503 0.455 0.204 0.212 0.226 0.634
龍神(龍神酒造) 0.501 0.649 0.180 0.288 0.205 0.413
町田酒造(町田酒造店) 0.498 0.461 0.161 0.216 0.243 0.638
結人(柳澤酒造) 0.494 0.470 0.171 0.246 0.284 0.604
聖(聖酒造) 0.487 0.460 0.195 0.239 0.221 0.638
流輝(松屋酒造) 0.478 0.552 0.204 0.275 0.239 0.541

いくつか補足します。**龍神の芳醇0.649は13本の最高値(全国46位・上位3%)**で、軽快0.413は13本の最低値。尾瀬の雪どけとの類似度は0.998で、6軸ではほぼ同じ形です。

水芭蕉(ランキング100位)と流輝は、13本のなかでは中庸にあたります。軽快0.543・0.541、重厚0.212・0.204、ドライ0.279・0.239で、13本の平均ベクトルとの類似度は水芭蕉が0.999(13本中1位)。迷ったら平均像に近いこのあたり、という位置づけです。

町田酒造(98位)と聖の軽快0.638は全国20位・21位(上位2%)。咲耶美の0.656(17位)や???の0.634(23位)と合わせ、13本のうち6本が軽快で全国上位4%以内に入ります。

群馬でフルーティーを選ぶときの物差し

  • 確率が高い:26銘柄中13本が華やか上位25%。該当率50%は40県中3位で、ランキング入りの3銘柄も全部ここに入る
  • 軽い:13本の軽快平均0.562は該当26県中2位、重厚0.196は24位。「軽快上位25%かつ重厚下位25%」が10本(77%)で、該当10本以上の14県では1位
  • 似ている:78ペアの平均類似度0.980、うち27ペアが0.99以上。6本は互いに0.9926以上

だから群馬の棚では、「香るかどうか」で迷う必要はあまりありません。迷うべきは残りの2点です。

ひとつは厚みを残すかどうか。13本の重厚は0.134〜0.318で、平均並みの厚みがあるのは鳳凰聖徳だけ、旨味側に寄るなら龍神酒造の2本(龍神・尾瀬の雪どけ)。もうひとつは後口で、ドライは0.198(関東の華)〜0.359(赤城山)。同じ「群馬のフルーティー」でも、ここだけは明確に分かれます。

香りではなく軽さそのものを軸に選ぶなら軽快で飲み疲れしない日本酒、逆に厚みが欲しくなったときはどっしり飲みごたえのある日本酒が参考になります。フルーティー全般の選び方はフルーティーな日本酒の選び方にまとめました。

他県と比べたい場合、香りの上限の高さなら長野・山形・秋田、丸さなら京都・福島、本数なら新潟が、それぞれ群馬とは違う形をしています。

自分がどの軸に寄っているかは、1分の日本酒診断で確かめられます。