石川の辛口日本酒5選 — 該当9本の44%が1蔵、人気3銘柄は全部圏外

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当サイトが利用しているさけのわデータには、飲んだ人の投稿から算出された6軸フレーバーベクトル(華やか・芳醇・重厚・穏やか・ドライ・軽快)が収録されています。この「ドライ」の値で全国1346銘柄を並べたとき、上位25%の境界は0.367。これを超えるのは全国で335本です。

石川県の収録36銘柄のうち、該当するのは9本。ドライの県平均0.322は収録10銘柄以上の40都道府県で11位(全国平均0.310)ですが、該当率25.0%は17位どまりです。平均は上寄り、本数は平均どおり——という中途半端な位置にいます。

指標 石川県 40県中
ドライの県平均 0.322 11位
辛口該当率 25.0%(9/36) 17位
県内のドライ標準偏差 0.106 15位
県内のドライ幅(最大−最小) 0.479(0.139〜0.618) 14位

数字だけ見ればごく普通の県です。ところが中身の作りが全国の辛口とかなり違います。結論を先に言うと3点で、(1)人気銘柄が1本も該当しない、(2)辛口を選ぶと県の長所である厚みと丸さを最も大きく手放すことになる、(3)該当9本の44.4%が同じ蔵——という県です。

人気3銘柄は全部、辛口の外にいる

石川でさけのわ人気ランキング(全国100位まで)に入っているのは3銘柄です。ドライ値を並べます。

銘柄 人気順位 ドライ 全国順位 判定
手取川 42位 0.354 394位 非該当(境界まで0.013)
天狗舞 68位 0.261 893位 非該当
菊姫 72位 0.139 1292位 非該当(下位5%)

3本とも該当しません。しかも菊姫のドライ0.139は全国1292位=下位4.1%で、県内36本の最下位です。人気2位の天狗舞も893位。

逆に、該当9本のうち人気トップ100に入っている銘柄は0本です。石川で辛口を探すとき、人気順の目印はまったく使えません。以下は全部6軸の数字で進めます。

県平均で見る石川は「厚くて丸い、香らない」

石川県36銘柄の軸平均を、全国平均と40都道府県中の順位と並べます。

軸 石川の県平均 40県中の順位 全国平均
華やか 0.278 36位 0.339
芳醇 0.538 21位 0.535
重厚 0.373 8位 0.328
穏やか 0.426 5位 0.393
ドライ 0.322 11位 0.310
軽快 0.379 36位 0.422

重厚8位・穏やか5位が上に、華やか36位・軽快36位が下に出ます。石川の日本酒おすすめ5選で確かめたとおり、厚みと丸さを足して香りと軽さを引いた県です。

ここが問題になります。全国の辛口335本の軸平均は華やか0.296・芳醇0.479・重厚0.296・穏やか0.394・ドライ0.453・軽快0.442。つまり辛口という群はもともと重厚が低めで軽快が高めの集まりです。石川の県平均はその反対を向いているので、県内で辛口側を切り出すと県の性格から離れる方向にしか動けません。

石川で辛口を選ぶと、厚みと丸さを手放す

該当9本・非該当27本・県全体36本の軸平均を並べます。順位はドライ該当が5本以上ある26県で比べたものです。

軸 該当9本 非該当27本 県全体36本 該当−県全体 26県中の順位
華やか 0.281 0.277 0.278 +0.003 3位
芳醇 0.501 0.550 0.538 −0.037 10位
重厚 0.316 0.392 0.373 −0.057 25位
穏やか 0.370 0.444 0.426 −0.055 25位
ドライ 0.465 0.274 0.322 +0.143 9位
軽快 0.424 0.364 0.379 +0.045 4位

重厚−0.057と穏やか−0.055が、どちらも26県で25位=下から2番目です。重厚の最下位は島根−0.064、穏やかの最下位は兵庫−0.085。

そしてこの2軸の下げ幅を足すと−0.112で、26県で最小になります(2位は兵庫−0.103、3位は福島−0.089)。逆の端は高知+0.081・福岡+0.037・北海道+0.036で、これらは辛口を選ぶと厚みも丸さも増える県です。石川は26県でいちばん、辛口を選ぶ代償が大きい県ということになります。

そのかわり失わないものが2つあります。華やか+0.003は26県で3位で、ほぼゼロ=減りません(上は島根+0.006・神奈川+0.005だけ。最下位は高知−0.098)。軽快+0.045も26県で4位。

まとめると、石川で辛口を選ぶ作業は**「香りはそのまま、厚みと丸さを抜いて軽さを足す」操作**です。北海道が「香りを削って厚みを足す」県だったので、ちょうど裏返しになります。

ドライ×穏やかの負の相関は40県で2位

県内36銘柄で、ドライ値と他の軸の相関を取ります。

組み合わせ 石川36本 全国1346本 40県中の順位
ドライ × 穏やか −0.223 +0.058 負の強さ2位
ドライ × 芳醇 −0.337 −0.505 負の強さ28位
ドライ × 重厚 −0.321 −0.260 負の強さ15位
ドライ × 軽快 +0.265 +0.163 正の強さ13位
ドライ × 華やか −0.085 −0.251 負の強さ32位

ドライ×穏やかの−0.223は40県で2番目に強い負の相関です(1位は青森−0.509、3位は秋田−0.219)。全国では+0.058のわずかな正、つまり普通は「キレと丸さは共存する」のに、石川では片方を取るともう片方が減ります。穏やかの県平均が40県5位の県で、これが起きているのがこの県の特徴です。

ドライ×華やかの−0.085は、負になる県のうち弱いほうから数えたほうが早い値(負の強さ32位)。全国の−0.251、高知の−0.842、北海道の−0.647と比べると、ほとんど無相関です。前章の「華やか+0.003」はこの弱さの裏返しで、石川ではキレを取ることが香りを捨てることにならない。

軸の組み合わせで数えると、この偏りがそのまま出ます。

組み合わせ(両方とも全国上位25%) 全国 石川 該当銘柄
ドライ+芳醇 10本 2本 黒帯・神泉
ドライ+重厚 46本 2本 黒帯・神泉
ドライ+軽快 87本 2本 獅子の里・谷泉
ドライ+華やか 24本 0本 —
ドライ+穏やか 71本 0本 —

ドライ+穏やかの0本は、26県で石川・兵庫・三重の3県だけ。ただし兵庫の穏やか県平均は21位、三重は17位で、どちらももともと丸さが低い県です。穏やか5位の県でこの複合が0本なのは石川だけです。該当9本の穏やかトップは加賀纏の0.449で、境界0.450まで0.001足りません。

一方でドライ+芳醇は全国でたった10本しかなく、そのうち2本が石川(黒帯は全国4位、神泉は10位の芳醇値)。2本持っている県は石川と福岡だけです。旨味方向は数字のうえで全国有数に厚い県になります。

該当9本の44.4%が1蔵に集まっている

石川の該当9本を、ドライ値の高い順に並べます。蔵名に注目してください。

銘柄 蔵 ドライ 全国順位
碧龍 福光屋 0.618 20位
加賀纏 福光屋 0.519 57位
加賀鳶 福光屋 0.509 65位
能登末廣 中島酒造店 0.481 88位
閃 数馬酒造 0.465 99位
黒帯 福光屋 0.435 144位
獅子の里 松浦酒造 0.415 184位
神泉 東酒造 0.376 298位
谷泉 鶴野酒造店 0.369 332位

9本のうち4本が福光屋=44.4%。1蔵が該当群に占める比率を26県で比べると、石川の44.4%が1位です。2位は岩手・茨城・奈良の33.3%(いずれも6本中2本)で、本数の多い県は新潟9.8%(41本中4本)・長野4.5%(22本中1本)と下がります。

集中はドライの上端でもっと強く出ます。県内でドライが全国上位5%(0.505超)に入る3本は、碧龍・加賀纏・加賀鳶の全部が福光屋。さらに福光屋の収録5本のうち4本が該当し、残る1本の福正宗もドライ0.365で境界まで0.002——県内の非該当で境界に最も近い1本です。

つまり石川の辛口は、1蔵を抜くと9本から5本に減り、上位3枠が空になります。この記事では蔵の偏りをそのまま隠さず、福光屋から2本(上端の碧龍と、方向が完全に違う黒帯)を採りました。

9本のばらつきと選び方

該当9本の全36ペアでコサイン類似度を取ると、平均は0.9593。該当5本以上の26県で比べると13位=ちょうど真ん中です(最もばらける青森0.9185、最もまとまる北海道0.9818)。県全体36本の630ペア平均は0.9324なので、辛口側は県全体より少しまとまっています。

ただし中身は均一ではありません。36ペアの最小は黒帯×碧龍の0.8524=当サイトの表示スコアで70点。同じ蔵の2本が群内でいちばん遠いペアです。最大は獅子の里×谷泉の0.9980=99点で、ほぼ同型。

軸のレンジは華やか0.059〜0.377、芳醇0.431〜0.631、重厚0.203〜0.462、穏やか0.241〜0.449、ドライ0.369〜0.618、軽快0.228〜0.561。幅が最も広いのは軽快0.333と華やか0.318で、ドライの幅0.249はそれより狭い。キレの強さで選び分ける県ではなく、香りと軽さで選び分ける県です。

9本から6軸それぞれの群内トップを拾うと、谷泉(華やか・軽快)、黒帯(芳醇・重厚)、加賀纏(穏やか)、碧龍(ドライ)の4本になります。ここに非福光屋で群の中心にいちばん近い1本を足し、穏やかトップの加賀纏(福光屋3本目)を外して5本にしました。中心枠は、9本の群平均ベクトルとの類似度が非福光屋で最も高い能登末廣(0.9980)とドライ+芳醇/ドライ+重厚の2本目である神泉が候補で、両方を入れて神泉を旨味枠の2本目としています。

この5本(碧龍・能登末廣・黒帯・神泉・谷泉)の平均類似度は0.9335=87点で、9本から5本を選ぶ全126通りのうち4番目に小さい値でした。最小は0.9285で、差は0.0050です。並び順はドライ値の高い順です。

1. 碧龍(福光屋)|ドライ0.618は全国20位、県内で唯一の0.6超

ドライ0.618は全国20位=上位1.5%。全国でドライが0.6を超えるのは1346銘柄中23本だけで、その1本です。該当9本で2位の加賀纏0.519とは0.099離れていて、県内では完全に単独です。

そのかわり削れているのは丸さと厚みと旨味です。穏やか0.241は全国1272位=下位5.6%で県内36本の最下位、重厚0.203も1223位=下位9.2%、芳醇0.433も1243位=下位7.7%。前章の「石川ではキレと丸さが両立しない」という相関−0.223を、いちばん極端にやっている銘柄です。

残る華やか0.348(全国645位)と軽快0.458(480位)は中ほど。華やか0.348は全国平均0.339を上回り、該当9本では3位。ドライ全国20位でありながら香りが全国平均以上という形は、ドライ×華やかがほぼ無相関というこの県の性質そのままです。

5本のなかでは黒帯との0.8524=70点が最も遠く、これは該当9本36ペアの最小値でもあります。全国平均ベクトルとの距離0.381は9本で2番目に遠い(近い順1221位)。キレだけを全国上位1.5%に立てて、丸さ・厚み・旨味を下位10%前後まで落とした1本です。

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2. 能登末廣(中島酒造店)|群の中心にいて、キレだけ全国上位6.5%

ドライ**0.481は全国88位=上位6.5%**で、該当9本の4位。福光屋以外でいちばんキレの強い1本です。辛口335本のなかではドライ88位・重厚89位と、どちらも上から4分の1に入ります。

この1本の特徴は、残る5軸がどれも極端でないことです。華やか0.289(全国908位)・芳醇0.462(1162位=下位13.7%)・重厚0.334(555位)・穏やか0.414(558位)・軽快0.435(625位)。6軸のうち全国上位25%に入るのはドライだけ、下位25%に入るのは芳醇だけです。

9本の群平均ベクトルとの類似度0.9980は、非福光屋で最も高い値(9本全体では加賀鳶の0.9989に次ぐ2位)。穏やか0.414は該当9本の2位、重厚0.334も3位で、群のなかでは厚みと丸さが残っている側にいます。前章のとおり石川の辛口群は穏やかが26県20位まで落ちるので、その下げ幅をいちばん踏みとどまっている1本です。

5本のなかでは谷泉と0.9775=95点、神泉と0.9756=95点、碧龍と0.9646=93点、黒帯と0.9279=86点。石川の辛口を1本だけ試すなら、群の中心にいてキレも全国上位6.5%あるここが無駄がありません。

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3. 黒帯(福光屋)|辛口335本で芳醇4位・重厚9位、同時に軽快は最下位

ドライ0.435は全国144位=上位10.7%。そのうえで芳醇0.631が全国88位=上位6.5%、重厚0.462も全国157位=上位11.7%。辛口335本のなかでは芳醇4位・重厚9位という位置です。

前章のドライ+芳醇は全国10本しかなく、黒帯はその芳醇値で全国4位。ドライ+重厚の46本にも入ります。石川がこの2複合をどちらも2本持っている、その片方です。

そのかわり落とし方が極端です。**華やか0.059は全国1339位=下位0.6%**で、辛口335本のなかで下から2番目(最下位は岩手の水神0.041)。軽快0.228も全国1294位=下位3.9%で、こちらは辛口335本の最下位です。6軸のうち2軸が全国下位5%に入ります。

残る穏やか0.378は全国766位の中ほど。全国平均ベクトルとの距離0.399は該当9本で最も遠い値(近い順1234位)で、群平均との類似度0.9355も9本で最下位です。碧龍との0.8524=70点、谷泉との0.8570=71点が5本の最遠ペア2つで、どちらも軽快0.228対0.458/0.561、華やか0.059対0.348/0.377がきれいに逆を向いています。

キレの枠に入ったまま、旨味と厚みを全国上位10%に置き、香りと軽さを全国下位5%まで捨てた1本。温度を上げて旨味の輪郭を追う側の数値です。

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4. 神泉(東酒造)|ドライ+芳醇+重厚を3つとも上位25%に入れた1本

ドライ0.376は全国298位=上位22.1%で、境界0.367まで0.009。該当9本では8位=下から2番目の値です。そのかわり芳醇0.588が全国315位=上位23.4%、重厚0.431も全国206位=上位15.3%で、辛口335本のなかでは芳醇10位・重厚17位。

ドライ・芳醇・重厚の3軸がすべて全国上位25%に入る構成で、石川ではこれと黒帯の2本だけです。黒帯が香りと軽さを下位5%まで切ったのに対して、神泉は**華やか0.258(全国1022位=下位24.1%)・軽快0.331(1124位=下位16.6%)**と、下位25%に収まる程度で止めています。穏やか0.388は全国713位の中ほど。

結果として県平均ベクトルとの類似度0.9939は該当9本で1位(県内36本では5位。上は常きげん0.9988・五凛0.9969・遊穂0.9954・萬歳楽0.9942で、いずれも非該当)。前章のとおり石川の辛口群は県の性格から離れる方向にしか動けないのですが、神泉は県らしさをいちばん保ったまま境界を越えた1本です。全国平均との距離0.181(近い順613位)も9本では中ほどです。

5本のなかでは黒帯と0.9717=94点で近く、碧龍と0.9098=82点で遠い。黒帯の方向を、極端を削って飲みやすい幅に収めた1本という読み方になります。

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5. 谷泉(鶴野酒造店)|軽快0.561は辛口335本で17位、華やかも群トップ

ドライ0.369は全国332位=上位24.7%。境界0.367まで0.002で、該当9本のなかで最も境界に近い値です。

そのうえで軽快0.561が全国103位=上位7.7%、辛口335本では軽快17位。華やか0.377も該当9本のトップ(全国509位=上位37.8%・335本では57位)です。ドライ+軽快の全国87本にも入ります。

落ちているのは厚み・丸さ・旨味で、重厚0.261は全国962位=下位28.6%、穏やか0.354も898位=下位33.4%、芳醇0.462も1162位=下位13.7%。石川の辛口群が重厚−0.057・穏やか−0.055で県平均を下回る、その先端にいる1本です。

獅子の里との類似度は0.9980=99点で、該当9本36ペアの最大値。この2本は数値上ほぼ同型なので、軽快0.561(獅子の里は0.521)と華やか0.377(同0.375)が上の谷泉を代表に採りました。5本のなかでは黒帯との0.8570=71点が最も遠く、能登末廣とは0.9775=95点です。

香りと軽さを残したまま境界をぎりぎり越えた1本。石川の辛口で冷やして軽く飲む方向を選ぶなら、選択肢は数値上この2本に限られます。

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残る4本と、境界のすぐ下

該当9本の全数値を、ドライ値の高い順に並べます。太字が今回選んだ5本です。

銘柄 蔵 華やか 芳醇 重厚 穏やか ドライ 軽快
碧龍 福光屋 0.348 0.433 0.203 0.241 0.618 0.458
加賀纏 福光屋 0.258 0.431 0.252 0.449 0.519 0.461
加賀鳶 福光屋 0.275 0.494 0.314 0.358 0.509 0.442
能登末廣 中島酒造店 0.289 0.462 0.334 0.414 0.481 0.435
閃 数馬酒造 0.291 0.546 0.311 0.401 0.465 0.380
黒帯 福光屋 0.059 0.631 0.462 0.378 0.435 0.228
獅子の里 松浦酒造 0.375 0.465 0.278 0.350 0.415 0.521
神泉 東酒造 0.258 0.588 0.431 0.388 0.376 0.331
谷泉 鶴野酒造店 0.377 0.462 0.261 0.354 0.369 0.561

選ばなかった4本——加賀纏・加賀鳶・閃・獅子の里——の相互平均類似度は0.9864=97点。6ペアのうち最も遠いのが加賀纏×獅子の里の0.9801=96点、最も近いのが加賀鳶×閃の0.9947=99点。数値上はほぼ同じ形の4本で、石川の辛口の「中央の団子」です。

そのなかで選ぶなら、キレを強くしたいなら加賀纏(ドライ0.519=全国57位で該当9本の2位。穏やか0.449は9本のトップで、境界0.450まで0.001)。旨味寄りなら閃(芳醇0.546は9本の3位。全国平均ベクトルとの距離0.169は9本で最も近い=近い順525位)。加賀鳶は9本の群平均との類似度0.9989で群の重心にいちばん近い1本(ドライ0.509=全国65位)。獅子の里は軽快0.521(全国206位)・華やか0.375(9本の2位)で、谷泉と0.9980=99点のほぼ同型です。

辛口の枠から出てよければ、境界のすぐ下にこの並びがあります。福正宗(福光屋・ドライ0.365で境界まで0.002/軽快0.490は全国324位)、池月(鳥屋酒造・0.361/穏やか0.547は全国66位)、手取川(吉田酒造店・0.354/人気42位・軽快0.582は全国60位)、加賀鶴(やちや酒造・0.351/穏やか0.560は54位)、五凛(車多酒造・0.348/芳醇0.569)、能登路(久世酒造店・0.348/重厚0.516は全国91位で、境界付近では最も厚い1本)。

厚みと旨味をもっと取りたいなら、石川ではドライを下げたほうが数字が合います。県内の重厚トップは菊姫0.597(全国36位)、芳醇トップは農口0.653(32位)、どちらもドライは1141〜1292位です。その方向は石川の日本酒おすすめ5選にまとめています。

石川で辛口を選ぶときの物差し

石川のドライ県平均0.322は40都道府県で11位、該当率25.0%は17位。平均で見れば少し上寄りの、ごく普通の辛口県です。

ただし中身は4点で全国の傾向とずれています。

  • 人気銘柄が1本も該当しない:手取川42位(0.354)・天狗舞68位(0.261)・菊姫72位(0.139=全国1292位)の3本とも非該当。該当9本の人気トップ100入りは0本
  • 辛口を選ぶ代償が26県で最大:該当群は重厚−0.057・穏やか−0.055(どちらも26県で25位)。2軸の和−0.112は26県で最小
  • キレと丸さが両立しない:ドライ×穏やかの相関−0.223は40県で負の強さ2位(全国は+0.058)。穏やか県平均5位の県なのにドライ+穏やかは0本で、9本のトップは加賀纏0.449=境界まで0.001
  • 該当9本の44.4%が1蔵:福光屋4本で蔵集中度26県1位。ドライ上位5%の3本も全部同じ蔵で、5本目の福正宗も境界まで0.002

そのかわり失わないものが2つあります。**華やか+0.003(26県3位)と軽快+0.045(4位)**で、ドライ×華やかの相関−0.085は負の強さ32位=ほぼ無相関。石川では辛口を選んでも香りが減りません。そして旨味側は全国でも厚く、ドライ+芳醇の全国10本のうち2本が石川です。

キレだけを最優先するなら碧龍(全国20位・県内唯一の0.6超)、極端を避けるなら能登末廣(群の中心でキレは全国上位6.5%)、旨味と厚みなら黒帯(辛口335本で芳醇4位・重厚9位)、その方向を飲みやすい幅に収めるなら神泉(3軸が上位25%で県平均に最も近い)、香りと軽さなら谷泉(軽快17位・華やか群トップ)です。

自分がどの軸に寄っているかは、1分の日本酒診断で確かめられます。辛口そのものの考え方は辛口日本酒入門、厚みの側はどっしり飲みごたえのある日本酒、旨味は旨味とコクの芳醇な日本酒、穏やかさはまろやかで穏やかな日本酒、軽さは軽快で飲み疲れしない日本酒、温度の話は燗酒で美味しい日本酒もどうぞ。他県の辛口は北海道・青森・秋田・山形・宮城・福島・新潟・長野・岐阜・静岡・広島・高知・福岡にまとめています。